ISO45001:労働安全衛生マネジメントとは
ISO45001:2018の序文の0.2「労働安全衛生マネジメントシステムの狙い」に、「労働安全衛生マネジメントシステムの狙い及び意図した成果は、働く人の労働に関係する負傷及び疾病を防止すること、及び安全で健康的な職場を提供することである」としています。
そのために上記の職場を実現するために、危険源の除去について、リスクアセスメントを始めとする効果的な予防策を講じて、働く人を心身ともに危険なめにあわずに、働く人を大事にする職場作りを求めています。
それは、組織で働く人が意欲をもって働き、持てる能力を発揮して、成果を上げていくことで、持続可能な職場を実現することです。
ISO45001:労働安全衛生マネジメントシステムがもたらすものとは
組織が、働きやすい職場環境を作っていくために何が必要となるのでしょうか?そのような職場を作ることは容易なことではありません。そこで、ISO45001:労働安全衛生マネジメントシステムでは主に次の3つの取り組みが求められています。
(1) 職場における危険源(危ない場所、ハラスメントの発生、危険な作業、人間関係 等)を除去するための、リスクアセスメントを職場内で実施し、何が危険なことなのかを職場内で認識し、共有することと、発生を防ぐために対応策を立てていくこと
(2)働きやすい職場環境の実現を目指して、パフォーマンス指標(数値)を設定して、それを達成するための計画を立てて、実践と振り返りから改善へと展開するPDCAサイクルを継続して運用する仕組みをつくること
(3) 上記の取り組みのため、従業員が参画し、話し合う場と仕組みを作って、労使双方が協力して進めていくこと:人数が多い組織ですと安全衛生委員会や衛生委員会 等が該当します。
ISO45001では、上記の仕組みを作り、経営側だけでなく、社員や、パート 等の従業員側も一緒になって取り組んでいきます。より良い職場環境作りには、従業員の皆さんの参画なしには有り得ないからです。
ISO45001ではコンサルタントを選ぶ際のポイント
一つ目は、リスクアセスメントが未経験の組織が多くあります。建設業や製造業では、作業前の危険予知活動はリスクアセスメントの一部ではありますが、そのリスクアセスメントの実施方法、リスク評価の基準、リスク対策 等の手順を文書化し、運用することが必要となります。
これは施工現場や生産現場だけでなく、間接部門も含まれてきます。特にメンタル面での取り組みは大抵間接部門が担っています。リスクアセスメントの範囲は現場の負傷や疾病リスクだけではないからです。当然、全ての部門に対してリスクアセスメントの教育が必要です。
二つ目は、労働安全衛生法を始めとする関連法規制の理解とその最新の動向の把握が必須となります。ISO45001の要求事項は、労働安全衛生法や労働安全衛生規則を始めとした法規制と関連しています。更に労働安全衛生関連法規は、毎年のように変わっていきます。その変化に対応していく必要があります。
三つ目は、労使双方の協議の場を設けて運用していくことが求められています。安全衛生委員会の運営と安全衛生計画書の作成 等、労働安全衛生法、労働安全衛生規則の要求を踏まえた運営をし、機能させることが必要となります。
弊社では、安全衛生委員会の運営の規定文書作り、労働安全衛生法規に基づく安全衛生計画書の作成を通しての安全衛生委員会の運営を支援しています。
ISO45001:労働安全衛生マネジメントシステムの取得に取り組むにあたって、効果的に運用して働きやすい職場環境を実現するために、是非外部の専門家を使うことを検討してみてください。