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技術的課題と適応を要する課題:組織開発の観点から課題にどう向き合うのか

2021年7月22日お知らせ

取り巻く課題を分類、整理するには

自分自身、そして所属する組織を見渡すと課題が山積しており、何から手をつけていいのか途方に暮れてしまい、考える事を止めてしまう事で、とにかく目の前にある事に取り組んでしまうことはありませんか。その方が落ち着くし、それに没頭できる事で取り組むべき課題に向き合わなくても満たされてしまうからです。よくありますよね、忙しにかまけて取り組めなかったと言い訳ができるからです。

でも、目の前の事をこなしても、周りにたちはだかる課題はそのままです。いや、その課題に向き合わない事で、次々と別な課題が出てきます。これでは、本当にいつまで経っても何も変わらず、状況がどんどん悪くなっていくばかりです。そこで今回から組織開発の手法を活かして組織を前に進める、変化を重ねて結果を出していくために何をしていけばいいのか、皆さんにお役に立つ事をお話しします。

自分の周りで取り巻いている課題を整理する

自分がその渦中にいると、何をどうすればいいのか何から手をつけたらいいのかわからなくなるという事は経験があると思います。 その時に何をすればいいのか順を追って示していきます。

①自分自身の課題を最低15以上ポストイットに書きます。

②それらを「技術的課題」と「適応を要する課題」に分類します。技術的課題とは、自分で何らかの行動を起こす、機械や機器の操作をする事、マニュアルを作成する事 等のこれまでの自分で実施してきた事や自分の内面ではなく、自分の外に答えを見つけて実施出来る事で解決できる課題です。一方で「適応を要する課題」とは、これまでの価値観や考え方、行動、さっき取り上げたマニュアルや機械の操作 等では解決できない課題です。自分の外にある事で解決できない、自身の内面と向き合い、これまで得られなかった思考や行動でしか解決に挑めない課題を指します。

「適応を要する課題」は、組織内外の人間関係を始めとする組織文化(組織の価値観、思考、行動原理)に関連する事が殆どを占めています。これは、洗い出してみると実感するのですが、「技術的課題」より、「適応を要する課題」が多い人の比率は高いのではないでしょうか。

これは、先輩/上司やあまり話していない人に協力してもらわないと解決できないこと、慣習で続いている非合理的な活動を変えないとみんなの負荷が減らないこと 等があります。

③この洗い出した課題を下記のマトリクス図のように、「長期」か「短期」の時間軸とこれらの課題の重要度の「高い」「低い」の2軸で、または重要度を難易度に置き換えて分類を行っても構いません。

④これで、並行して優先度も決められます。短期で重要度が高ければ、優先度が高くなります。ここで見て欲しいのは、重要度が高く、時間軸が長期になっているゾーンです。実はここのゾーンが「適応を要する課題」となっているのが多いのです。このゾーンにある課題にいつどのようにして取り組むのかが未来に向けた自分もしくは組織が進化するか、停滞するかの分水嶺となります。

適応を要する課題に取り組むには

先程の2軸で分類した課題で、左上のゾーン以外のものは、優先順位とスケジュールを決めることは出来ると思います。それでは、左上の 重要度が高く、時間軸が長期のゾーン にある課題はどうしていけばいいのでしょうか?このゾーンにある課題は、これまでわかっていてもなかなか手をつけずに今にいたるもの、今まで向き合おうとしなかった事が含まれているのではないでしょうか?それらが前に進まないのは、元を正せば自分自身の考え方のクセや習慣、姿勢 等に行き着く事が大半ではありませんか。

まずは自分1人だけで解決しようとするのでなく、周囲の人に参画してもらい、アイデアや意見を出しあって、自分にない意見や気づきを得ることです。人から聞く意見や考えは、当然自分にないもので、これを利用しない手はありません。よくよく考えてみると、これまでこのような事をやった事がなく初めて取り組むのであれば、「適応を要する課題」の解決の最初のアプローチになります。

もっと話し合いや意見出しを促進させるにはどうするか、意見や考えをアウトプットしたならばそれらを実施策としてどのようにまとめていくのか 等、これまで考えてもみなかった事に遭遇し、考えて取り組んでいくことができます。疑問や他者の意見でわからない事があれば「なぜ」と聞くようもになるでしょう。自分の意見を述べるだけでなく、他者の意見や考えを聞いていくうちにその考え方や意見の背景は何かと興味を持つ事もあるでしょう。

この事は自分には出来ない、あるいは考えもつかない事が、様々な実践方法を身につけることで、思考を止めずに、対話を続けて実践していくことが可能になります。これは、適応を要する課題から技術的課題に変換して解決していく事に他なりません。

例えば、先程の2軸で情報を整理分類していくことを習得することで技術的な課題となり他者を巻き込みながら課題を解決できるようになります。

どうか、中小企業、団体において、これらの取り組みを習得できるよう、「適応を要する課題」を技術的課題に変換して解決していく実践方法を学ぶ機会をつくってください。それが、持続可能な組織を創るため、個人の成長をもたらすために必要なことです。インフィニットは、これからもこの組織開発について情報を提供していきます。

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