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ISO14001 間接部門の業務に効果をもたらす3つの取組み

2023年5月21日ISO

 ISO14001では、以前は「紙、ごみ、電気」という3つの取り組みが幅を利かせていましたが、その取り組みは、工夫を重ねていなかないと行き詰まります。

 ただでさえ、本社や総務部門 等の間接部門は現場と違い、環境に負荷をかけている活動はそうあるものではありません。

 そこで、今回はマンネリ気味であった間接部門で視点を変えて取り組んだ事例を紹介します。 ぜひ、ご参考にしてください。

環境側面と現場の課題を紐づける

 デジタル化、ペーパーレス 等、オフィスでの生産性を上げていくために様々な取り組みを検討し、行動に移している組織もあると思います。

 ある中小の建設業の会社では、冒頭で書いた「紙、ごみ、電気」の取り組みが行き詰り、職場環境を変えていくために、従業員満足度アンケートを実施し、方策を考えるものの、なかなか目に見える効果が上がらずにいました。

 そこで、環境影響評価を一緒にやってみる事で今まで抽出した「環境側面」について問題解決につながるように話し合いをしていきました。

 具体的には、環境側面として特定していた「業務改善」と「紙の消費」に着目しました。この環境側面の取り組みはそう珍しいものではありません。特に紙に関しては、ペーパーレスの取り組みがすぐイメージできると思います。

 今回は、事務所にある現場の資料のバインダーの数も、そしてその中にファイルされている紙の量も膨大で、保管するスペースがなくなってきていました。

 近い将来、業務に支障をきたすであろう事や、何の書類がどこにあるのか探す時間がかかる事、又は特定の人に書類作成の負荷がかかっている 等の様々な問題が改めて浮き彫りになりました。

従業員が困っていること、改善すべきと思っている事を著しい環境側面にする

 間接部門では、この標題の視点は必須です。環境影響の項目の一つに「利害関係者の関心」があります。この利害関係者には従業員も含まれます。従業員が働きやすい環境は生産性が上がり、環境に良い影響を与えます。

 この企業では、この紙に関する取り組みを著しい環境側面として、以前からやりたいと思っていたクラウド化や使用中の文書管理ソフトの活用を含めて紙の使用量を減らす事を環境目標とし、達成計画を作りました。

 例えば、新規の現場から情報の共有を目指し、事務所で現場の進捗をリアルに確認して現場担当者のサポートができる環境を整え、並行して紙の出力を極力減らす取り組みが始まりました。

 まだ適用となった現場の数も少なく、目に見える効果はもう少し先になりますが、定期的に進捗状況を確認し、活動がすこしづつ定着している状況です。

目指す成果が環境によい影響をもたらすストーリーをつくる

 まず、関係者の間で何が成果として目指している事なのかを共有することです。クラウド化や文書管理ソフトの活用は、あくまで手段に過ぎません。

 目指すのは、紙の使用量を減らす取り組み(環境影響としては、「資源の枯渇」を防ぐことにつながります)を通して、クラウド上にある情報の共有と意思疎通を深化させることで、事務負担をわかちあい、残業時間の削減や休日出勤を極力しない持続可能な働き方に変えて生産性を上げていく事です。

 このように、環境にあまり負荷をかけない事業や業務では、どのようにして環境に良い影響を与えていくのかというストーリーを作っていく事が重要になります。

 自分達にも効果をもたらす事が実感できる事は何かを、様々な観点から考えていくことは、組織内にも好い影響をもたらします。是非、取り組んでいただきたいと思います。

 

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