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社員の成長に必要な教育訓練の3つのポイント

2021年2月12日ISO

 ISOの各マネジメントシステムで7.2「力量」の教育訓練の要求事項と7.3「認識」のところの要求事項の文章を読んでも具体的に何をしたらいいのかわからないことが多いと思います。教育は、どの組織にとっても非常に重要なものです。投資効果がなかなか見えにくいですが、次の3つのポイントを示してみます。

組織の理念を理解することから始める

 規格要求事項の文面に振り回されずに、教育する目的が何なのかをはっきりさせて取り組みましょう。

 入社した人に対して、一人前になって任せられるようになるために必要なことをまとめて下さい。それらが身につけるべき力量となります。

 まずは、会社の理念や方針や経営者の考えを理解してもらうことが第一です。ISOマネジメントシステムでは、品質方針や環境方針の作成が要求されています。

 その内容を紐解き、会社の目的、経営者が一番大切にしていること、従業員にどうなって欲しいのか 等を、経営者は都度話していただき、理解して仕事をしてもらうことは、「認識」に該当します。

 理念や方針の理解がないまま、仕事だけ覚えてもらうという短絡的な取り組みは、何を目的に仕事をするのか、顧客から何を求められているのかという基本が疎かになります。ただ自分の担当領域のみしかやらなくなるという事になりかねません。

 会社が求める人材になるのかという観点でいくと、理念や方針の教育は最初からしっかりと取り組み、必要な認識を持って仕事をしていくことが大切です。

一人前になるために必要なことをはっきりさせる

 次の事が教育訓練のプロセスを作る際に必要です。。

1)      必要な力量を備えるために,実際に担当者業務を理解して行えるようにするため、必要な事を洗い出して下さい。それをもとに職務分掌を作成することもできます。

2)      そして、洗い出した項目ごとに、その人が担当しても大丈夫なのか評価をして下さい。

3)      ここでは、従業員が何を根拠に任されているかということがポイントです。資格の所持が必要な作業では、それがあれば問題ないのですが、資格が無く仕事をしているとなればコンプライアンスの観点からも問題です。その事をしっかりと管理しているのかということも見られます。

4)      資格の所持が必要ない業務や作業では、企業・組織が定めた自主的な基準をもとにスキルを評価して、配置します。主にスキルマップを作成して評価基準を決めて、項目ごとに評価をしているところは多いです。

5)      そして評価結果をもとに、個人ごとの教育訓練のニーズを明確にしていきます。

6)      それらをもとに個人ごとの教育訓練計画を作って、実施します。教育訓練もPDCAサイクルを回すことになります。

7)      教育訓練を行っても一人前になっていないということは、その教育訓練が有効ではないことになります。

8)      その場合は、教育訓練の実施方法を変更して下さい。例えば、講師(社内・社外)を変更する、外部の教育機関を変える 等の処置が考えられます。

 対象となる個人の受講態度に問題がない限りは、上記の処置をとって下さい。

 目的は、その人を一人前にすることです。受けた内容や講師が良くないのであれば即変えて効果が得られる教育訓練方法を取り入れることや別な講師を探すのが得策です。

 受講した人が理解しないから駄目だという観点に捉われずに、別な視点での柔軟な対応が必要です。

 社内でのOJTやOFF-JTでは、上司や経験豊富な中堅社員が教える事が多いとは思いますが、教え方がうまくない場合は、別な方が教える選択肢もあるべきです。社内で教え方が上手な方を発掘し、そのノウハウを社内で共有できれば非常に有効なものになります。

 スキルを上げる一番の近道は、教え方のうまい人から教えてもらう事です。教え方がうまく、指導した人のスキルの向上に貢献した場合は、意欲を持ってやってもらうためにも何等かのインセンティブを与えるのもいいと思います。

 人材不足の昨今、早く一人前になれる教育プログラムを作成して継続した取り組みをして下さい。

従業員のキャリアアップを見える化して力量アップを実感させよう

 スキルマップや技能評価を確認すると、評価項目ごとにできるかどうかを示しているに過ぎないものになっていることがわかります。

 そうなると全ての評価項目が一人前となってしまえば、これ以上教育訓練を行わなくてもいいということになります。これは、規格要求事項からも特段不適合にはなりません。

 でも企業・組織全体からみれば、技能だけでなく、階層ごとのマネジメントの面や修得すべき知識に関して、そしてその人に期待していることが網羅できないままになり、技能だけなく様々な能力をアップする機会が作れなくなる懸念が出てきます。

 経営者は、一人一人にテーマを与えて、成長する機会を作ってあげることが、事業を継続する最も大切な取り組みであることを認識し、その事を社員に伝え続けて下さい。

 若い年代であれば、その道筋が不明確な場合、この会社にいても成長できるのかという懸念が吹き出てしまってからでは退職に至るリスクが大きくなります。

 この会社では、キャリアップはこのようにして取り組むんだという道筋を、イラストや図でわかりやすく示すことができれば、社員も年齢や階級に応じて意欲を持って学ぶことが出来ますし、キャリアアップをしている実感が湧いて、人材育成の見える化が可能になります。

 社員が意欲を持って働き続ける仕組みをどうか作って下さい。

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