ISO14001:環境マネジメントシステムとは
ISO14001:2015の規格要求事項及び利用の手引の序文0.2「環境マネジメントシステムの狙い」で「この規格の目的は、社会経済的ニーズとバランスをとりながら、環境を保護し、変化する環境状態に対応するための枠組みを組織に提供することである。この規格は、組織が、環境マネジメントシステムに関連して意図した成果を達成することを可能にする要求事項を規定している。」と書いています。
このことは、ISO14001:環境マネジメントシステムを組織が適用することで、組織の製品・サービス及び活動について、環境についての取り組みを通して意図した成果を達成し、その組織の価値を高めて、組織の利害関係者が満足し、持続可能にしていくことが目的となっています。
その「意図した成果」は、組織によってまちまちですが、世の中にも、顧客にも、社内にも、いわゆる「三方よし」として掲げた成果の達成を目指していくことです。
例えばその組織において環境に有害な活動をしていない場合は、「環境配慮製品の販売」や「生産性の向上」、「ムリ、ムラ、ムダの克服」と言った、環境にも自分たちにも、そして最終的に世の中にも良い影響を与える事が求められます。
ISO14001:環境マネジメントシステムがもたらすメリットとは
まず対外的には、環境に配慮した取組みをしていることを顧客を始め社会全体にアピールできます。Webサイトで、環境マネジメントシステムの取り組みを掲載することで環境への取り組みに関心の高い若い世代へのアピールにもなり採用にも好影響が期待されます。
社内に目を向けると、環境に良い影響を与える取組みは、社員への環境に関する意識向上と教育にもなります。また業績と関連した環境目標やパフォーマンス指標の設定にもつながり、環境と業績が関連した運用ができるようになります。
コンサルタントがなぜ必要なのか
上記のメリットを享受する上で、次の観点からコンサルタントの役割があると考えます。
一つ目は、ISO14001:環境マネジメントシステムの取り組みをその組織の業務における活動と一致させることができます。これは、実際の業務とISO14001の活動を別物にしないため、環境影響評価からの環境目標の設定に結びつけるノウハウを提供し、必要な知識の習得が容易になります。
これは、環境への取り組みと実際の業務との取り組みが乖離して現場に疲弊や活動の形骸化(実際の業務に関連しない運用となり、審査対応が主となること)を及ぼしてしまう事例を避けることが可能となります。
二つ目は、ISO14001:環境マネジメントシステムの要求事項を満たしたシステムを構築・運用するのは、環境影響評価や関連法規制の順守評価の実施や内部監査、マネジメントレビュー 等の取り組みが必須となりますが、コンサルタントからその手法を伝授され、それに携わる時間を大幅に減らすことができます。
三つ目は、審査の対応についての情報を提供できることです。審査員の経験のあるコンサルタントは、審査員の思考や行動がわかるので、そのケースごとにどのような対応をとるべきか適格なアドバイスができます。これは、審査の対応の精神的な負荷を減らし、審査をスムーズに進める方法を知ることができます。
最後に、文書の作成です。これは、契約時に環境マネジメントシステムのマニュアルを始めとする関連文書の作成をコンサルタントがやるのか、認証取得を目指す組織側が行うのかを決めますが、仮に文書の作成までコンサルタントの依頼することでシステムの構築の時間短縮と審査への対応の負荷を低減することが可能となります。
コンサルタントを選ぶ際に、ここで示したことが出来るのか、その組織の実情を踏まえて柔軟に対応できるのかを含めて実績や経歴を確認することをお勧めします。