ここ数年、ISOマネジメントシステムの認証取得をしている組織から、マネジメントシステムの統合化やマネジメントシステム認証規格の追加並びに認証範囲の拡大もしくは縮小への対応、担当者の交代による社内の教育の実施やそれらを含めたマネジメントシステム自体の見直しについて、様々な内容でのご相談を受ける機会が多くなっています。
その際にインフィニットでは何をしてきたのかをお伝えします。それは組織がステップアップして進化していくためには必要なことなのです。
何が問題なのか、何を変えたいのかを明確にする
我々は、この取組みの最初に実施するのは、組織の課題、リスク 等を考えてもらうためのワークショップです。取得しているマネジメントシステムの規格要求事項の意図や目的を説明した後に、組織の目指す姿について話し合ってもらいます
ISOのマネジメントシステムは、物事を成し遂げるために、組織を作っていくツールです。やはり何を成し遂げたいのかをはっきりすることが必要です。
ただ、この目指す姿や何を成し遂げたいのかということを話し合う際に気をつけないといけないのは、ほとんどこのようなテーマで話し合ったことがあまりない組織が多いのです。
弊社ではツールを使って、一人一人に2年後~3年後を目安に到達していたいことを書いてもらい、それに対して現状がどうなのか、成功重要要因を出し合ったのちに、参加者間で目指す姿や成し遂げたい事を話し合いをして、言語化をしていただきます。
この言語化したことが、これ以降の話し合いで変化しても構いません。1度や2度の話し合いで全員が腹落ちする文章が出来る可能性は低いです。でも、このような話しあい重ねることで、弊社とのボタンのかけ間違いを可能な限り抑えていく事が出来ます。
マネジメントシステムの見直す観点を決めて現状の活動を調べる
弊社は、文書の整備や管理状況、目標管理や教育訓練の状況の確認からではなく、前段の取り組みを踏まえ、次の3つの観点で見直しを始めます。それは組織の状況をみるには、記録や文書の確認だけでは不十分だからです。この観点から組織にいる人たち成果に向けて前に動けるようになっているかを見極めます。
一つ目は、「役割と権限、責任がどこまで定められ、機能しているかです」。これは、明文化していても組織の変更や実態に伴った改訂がなされていないことがあるからです。
二つ目は、「コミュニケーション手段とその運用についてです」。現行の様々な会議体について、社内間での様々な階層や部署がどのような関係を作って物事を進めるための判断や評価を実施しているか、そしてその中で意思の疎通や情報を共有が出来ているかは、とても重要です。
三つ目は、「成果の測定を行っているか、そしてフィードバックができる仕組みがあるかどうかです」。企業は、売上、利益を含めて経営をしていく上で必要な指標が既にあります。そして、経営で必要な指標を達成する上で、プロセスもしくは部門ごとで重要な管理指標があり、その達成度について評価する仕組みは必須です。
この見直しの結果から、その組織にいる人たちが仕組みや制度面から何を望んでいるのかが把握できてきます。以前もマネジメントシステムの見直しを通して、人事考課のシステムや教育訓練のシステムの導入につなげることもありました。
また、ISOマネジメントシステムの場合は、審査もあり、その対応も含めて取り組まなければなりません。組織内でやっていく事が厳しいと判断している場合は、外部の支援も選択肢にいれることをお勧めします。