内部監査とは何か
内部監査とは、組織が整備し、運用しているマネジメントシステムについて、ISOマネジメントシステム要求事項(ISO9001,ISO14001,ISO45001,ISO27001等)、マニュアル、手順書等の文書類等の定められた監査基準を満たしているかどうかを判定するために、文書、記録、観察 等の証拠を収集して客観的に評価するための取り組みを指します。当然そこには内部監査をどのように実施するのか手順を規定した文書をもとに実施します。
組織内部において監査をする人(内部監査員)と監査を受ける人(被監査者/部門)がいて、自分たちで自分たちが作ったマネジメントシステムを点検することになります。それには、内部と言えども公正さを確保するため、対象となる業務(部署)に関連がない要員が監査を行い、客観性にも配慮した取り組みが求められます。 そして監査は、規定された文書を基に実施します。
内部監査の要求とは
ISO9001:2015の9.2.1の内部監査のa)では品質マネジメントシステムに関して、組織の活動が、「組織自体が規定した要求事項とこの規格の要求事項(ISO9001)に適合していること」。そしてb)では、「有効に実施され、維持されている」ことを求めています。
具体的には、3つの観点があります。一つ目は、組織が作成した文書(様式、計画を含む)がISO9001の要求事項に適合しているのか。二つ目は、組織が作成した文書に従って活動しているのか。三つ目は、組織の活動が、組織が設定した目標の達成に貢献しているのか、という事を監査をして、経営層(管理層)に報告する事が求められています。
この要求事項は、内部監査を通して組織のパフォーマンス(測定可能な結果)の状況を判断して、パフォーマンスが良くないのであれば、その事を報告して改善を促すこと。そしてパフォーマンスが良いのであれば、その事を報告し、他の業務や部門に展開できるものは展開していくことを意図しています。
内部監査の目的とは
ISOマネジメントシステムの要求事項の10.3には継続的改善の要求があります。それでは、その継続的な改善が出来ているのかを何で判断するのかというと、内部監査で実施していきます。
それでは、マネジメントシステムの継続的改善とは何か?ISO9000:2015(品質マネジメントシステムー 基本及び用語)では、「パフォーマンス(測定可能な結果)を向上するために繰り返し行われる活動」と定義しています。
内部監査は、継続的改善を促進する手段にならないと意味がないです。規格や内部規程に適合していることを確認することを通して、パフォーマンスを上げていくために何をすべきかを提起する機会を作ること、すなわち「改善の機会」を作ることに他なりません。
内部監査を有効活用し、内部監査員の育成が組織のパフォーマンス向上に寄与することにつながります。是非、内部監査のパフォーマンスを上げる取り組みをご検討ください。