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組織の戦略を実現する人材の育成に必要な2つの取り組み

2023年2月18日お知らせ

 人材の育成についてはどの組織も問題を抱えていると思います。そんな中で、実際に成果が出た「ある2つの人材育成の取り組み」についての事例をお話ししたいと思います。

 ISO9001を取得した組織では、製品・サービスの品質を向上させるための個々のスキルを上げていくための教育訓練のシステムが作られ、運用されています。

 ただ、一方で今いる布陣に複数の離脱者がでた際に、オペレーションの維持が出来なくなるリスクを抱えているところも多いと思います。ある建設業の会社では、個々の作業スキルを上げていくための教育訓練システムを運用し、着実に生産性も上げていきましたが、離脱者が重なった場合のリスク対応がまだ十分でない事に危機感を持っていました。

 これまでは、現場の作業スキルに焦点をあてた教育訓練が主でした。マネジメント層、リーダー層、一般の現場従事者の各階層ごとに個人の成長やチームとして機能させるためにどのように教育を行っていくかについては殆ど手を付けていない状況となっていたため、次の2つの取り組みを始めました。

こういう組織になりたいという軸をつくる

 まず、始めに組織の目指す姿を明確にし、それをもとにどんな人材になって欲しいのかという事を階層ごとに言語化していくことです。

 組織は事業(製品:サービスの提供)を通して「○○」を実現したいのかという事をつくります。「○○」を明確にしていきます。例えば、「顧客からの支持を高めて契約数を倍あげる」、もしくは「生産性を更に上げて週休2日を定着したい」等、シンプルでわかりやすい、社員がすぐにイメージできそうなものであればなおいいですね。

 是非この事から始めてみましょう。何で教育訓練を行うのかという事を示している会社はあまり見た事がありませんが、ある建設業の会社ではその事を言語化した事で、実現するために何をする必要があるのかを明確にするための軸を定める事ができたのです。

 これまでは見てきたところでは人材を育成する軸が無く、製品・サービスを提供するための「▼◆の作業」が出来るかどうかという項目を示し4段階や5段階での評価が行われてきました。中には「ISOの理解」という項目での評価もよく見かけました。

 そのワンフレーズの項目だけで正確な評価ができ、適切な教育訓練を提供できるのかは疑問です。現場のスキル評価は必要ですが、これだけですと全体最適の観点からの人材育成は厳しいと言わざるを得ません。

全体の人材ポートフォリオをつくる

 現状の人材が自社の戦略を実現に必要な能力が備わっているかどうかを2軸のフレームワークを用いてポートフォリオを作成し、可視化してみることです。

 この2軸については、前述した組織の軸となる目指す姿や全体戦略をもとに言語を選択していきます。これは組織の人材育成の軸を基に様々な言葉を選択していきますが、次のポートフォリオの2軸では「クリエイティブ ー ルーティーン」と「ゼネラリスト ー スペシャリスト」を掲げてみました。当社の全ての人材について4つのどの領域に当てはまっているのかをポジショニングします。

 また、選択したキーワードの定義をしてください。「クリエイティブ」と言っても人によって解釈の違いが出てきます。さあ、やってみましょう。ここが多ければいいのになあという領域にどれだけの人材がいますか? それと、どの領域に多くの人材がいましたか?

 

 ポジショニングが終わりましたら。「As-Is To-Be」のフレームワークを使い、目指すあるべき姿と今いる人材の状況(As-is)と、これから全社視点でどのような事をやっていくのか(To-be)をまとめてみてください。

 いかかでしたか?今いる人材のポジションからいろいろと見えてくるものがあります。貴社の目的・戦略を踏まえた上で、必要な取り組みが決められやすくなります。

 例えば、今いる人材のスキルだけでは戦略の実現が厳しい場合は外部から人材を受入れることや、重要視している領域に多数の人材を配置するための育成プランの作成 等の必要性が浮き彫りになってきます。

 担うべき作業の習熟度だけでなく、全体を俯瞰し、どこに成果を求め、人材の育成・配置をしていくのかをまとめて、人材育成の方針、目的、計画を作っていきましょう。

 なお、この取り組みは定期的に見直しができるように仕組みを作って運用を行って下さい。組織を取り巻く状況は刻々と変化していきます。頻度を決めて検証を行いましょう。

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