組織を取り巻く課題、リスク、機会を深掘りして明確にしているか
インフィニットのSGOP（サスティナブル・グロース・オーガナイゼーション・プログラム）を始めるに当たって、組織の製品・サービスを提供するための戦略を確認します。少数の顧客に向けて高付加価値のある製品・サービスを高い単価で提供するのか、それとも多くの顧客に安価で質のいい製品・サービスを提供していくのか、組織ごとにどのような戦略をとるのかをはっきりと示し、その実現のためにどの様な組織を目指しているのか、製品・サービス（事業）をこれからどうしていきたいのかを明確に示しているかということです。その上で、関連する課題、リスク、機会をどれだけ的確に捉えることが求められます。
組織内部の課題として「人手不足」、「従業員の高齢化」、「若手が成長しない」 等、リスクとして「同業他社との競争激化による受注減少」、機会として「新サービスによる受注増」のようなひと言キーワードをよく聞きます。このような事しか抽出できないのは、自分事ではなく他人事になっているのではと感じます。ただよくよくお聞きすると組織のここが問題だ、この事業についてここを何とかしないといけない 等の話しが出てきます。他人事の表現となっているキーワードではなく普段から感じている事をアウトプットしてみましょう。
せきららに問題意識を持っている事は間違いなく課題やリスクにつながる事です。多分その事が経営者にとっての重要なことだと思いますし、これを取り上げ粘り強く取り組む事が必要です。
課題・リスクは分解して深掘りする、そして見直す
真の課題やリスクを導いていくためには、先程の 「人手不足」、「従業員の高齢化」、「若手が成長しない」 等のキーワードを更に分解して深掘りをしていく事です。例えば「人手不足」を取り上げると、どのような人材が不足しているのか、その人材を育成するとしたらどの位の期間がかかるのか、又は外部から人材を引き入れるとしたら（現状はなかなか応募者が来ないということで止まってしまいますが）、応募してもらうようにするために何を変えるのかというように「深掘り」はあらゆる視点から出来るようになります。それに育成のところでふれた一人前になるまでの期間を「時間軸」で捉えることで、いつまで事業を続けるのかを逆算して育成について何をすべきかを深掘りする事も可能になります。このことは、このままの陣容でこの事業をいつまで続けられるのかという事にもなってきます。これは単年度で済む話ではない事は明白で、中小企業ではこのような事を深掘りしていく機会はどれだけあるのでしょうか。
組織自体の進化・変化から課題・リスクも変化します。事業の方向・戦略からの課題・リスクは頻度を決めて見直してください。何年も同じ課題・リスクが掲げられている事も散見します。ここから変えていきましょう。
目指すのはウエルビーイングが高く、結果が両立する組織
下記に示した7つの項目は、前回掲げた持続可能な成長が出来る組織に必要な要素です。事業の方向・戦略とそれに関連する課題・リスクが妥当であれば、組織ごとに7つの要素から何を優先して取り組むのかを選択して、取り組みにあたっての観点をしっかりと定めていきます。目指すのは、ウエルビーイングの高い組織を作り生産性を上げて、組織と社員が好循環を作っていく事です。ただ、それぞれの組織の状況によって、その道筋や取り組みは異なります。
インフィニットでは、ウエルビーイング（社員が心身ともに幸福で、意欲を持って働き続ける）が高い組織となるためには、一人一人がどのように生きていくのか、どうなりたいか（キャリアの面も含めて）という事に向き合って、行動していく事が必要であると思います。次の７つの項目は、組織が持続的に成長し、自分自身も成長と組織への貢献を両立していくために欠かせない項目であり、それらの項目から自身でどう取り組んでいくのか考える軸として使っていただきたいと思っています。
例えば①については、組織の戦略を理解する事と貢献するために組織で取り組む事が何かを考える事を狙いにしています。組織に所属する以上、組織の戦略は、今後の市場の動きから妥当なのか、それとも新たな視点で拡大が可能なのか 等、組織で考えて何が出来るのかという視点を持っていただきたい。それと組織の戦略を組織全体に理解してもらえる取り組みが出来ているのかという観点で現状を見て、何をすべきかを考えていただきたいと思います。
次回以降は、上記のように次の7つの項目について更に掘り下げていきます。深掘りしていく事で、組織ごと、会社ごとに何を選択して取り組むのかを考えるきっかけにしてください。深掘りした事は、それぞれの組織の状況によって選択する事が異なるはずです。持続可能な成長をするための段階をそれぞれ明確にし、優先度を決めて、その組織に適した進め方をして欲しいと思います。
