株式会社インフィニット 宮城県仙台市のISO・組織開発の会社|内部監査が有効となる2つの取り組み

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内部監査が有効となる2つの取り組み

2023年9月29日ISO

 これまで、認証取得の段階、取得以降での様々な段階で内部監査の実施を支援してきました。そこにあるのは、監査員教育をして内部監査の意図や目的を伝えても理解できず、規格で要求されているから実施しているという範疇から抜け出せない組織が殆どであったということです。

 ここでは、いくら内部監査が改善の機会が目的だと言っても、無意識に決まりに従ってやるだけということから少しづつ脱却した事例を紹介します。

トップインタビューを全員の前で行う

 中小企業ですと、トップマネジメントは社長が多いと思います。管理職以上は会議体で社長への報告やレビューを通して意見交換や考えを知る機会がありますが、10人や20人程度の会社でも一般の社員に自分の想いや考えを話しするという機会があまり見かけませんでした。業務上の会話は当然ありましたが、それ以外の事を話し合う機会を持っているところは殆どありませんでした。

 そこで、認証取得を目指している組織では、必ず内部監査の実施を支援しますので、その際に社員の前でトップインタビューをするように提案しています。ここでは、何でISOマネジメントシステムの認証を取得しようとしたのか、そして「組織の状況」にある組織内部・外部の課題はなにか 等、組織をこれからどう経営していきたいのかという視点でお聞きし、社員全員の前で語ってもらっています。

 社長は朝礼でよく話しているよという声もありますが、皆の前で話し合いを通して理解を深めようと語ることは、片方向では難しく、双方向での臨場感があり、社長の表情や雰囲気を見ながらの話しは社員からは意外な話しが聞けたと好評の意見が大半でした。

監査で聞く時は、これ意味があるの、何でこんな事やっているのという視点を持つ

 これは、疑問をもつということです。大抵は決めごとをそのまま実施していれば、「適合」と判断します。特にマニュアルや手順書で定めた記録や文書があるとそのまま「適合」と進んでいくところが大半です。

 実際に内部監査の支援を行うと、「これ意味あるのかな?」、「これ内部監査や審査でしか確認しないよな?」、「この手順だと現場に負荷が大きいと思う」、「通常業務でこの書類は使うものなのか?」 等、私がそう思ったときにあえて監査員に何か聞く事がないのかを問いかけます。その時に大半の人達は何でこんなこと聞いてくるのかという表情をします。それは、チェックリストに書いてあることを質問すればいいと思って、それ以外の事は殆ど考えていないからでした。

 その後、状況に応じて同様の質問を監査員に行いながら監査を進めていくと、成果につながらない取り組みや分析すべきデータがあるのに実施していない事 等が浮き彫りになり、改善の機会を作る事ができました。

 弊社のこのやり方は、本来の監査の主旨と違うのではという意見があるかもしれません。主観的な見方になるのではという意見もあるかと思います。ただ、組織をよくするために監査するのであれば、上記の視点での問いかけは必須です。監査基準として取り上げた文書に基づいて監査をするわけですが、そこから逸脱せずに、疑問が出てきた場合は、その基準文書自体を疑う視点を持って欲しいと思います。
 

 これには、監査員が質問しやすい状況を上司や経営側でしっかり担保していただく事が前提になりますが。中小企業ではそれがないと、いくら内部監査といえども社内の関係性は無視できず、思い切った質問もしづらいと感じます。

 また、組織をみれば文書は殆ど改訂されていない状況が多いと思います。完全に日常の業務とマネジメントシステムが乖離している可能性が大です。これは内部監査で指摘していいはずです。

 私は思います。日頃の仕事の進め方に疑問を持たない、あるいは疑問があっても何もしないという組織は停滞から衰退に向かいます。折角内部監査という手段があるのであれば、より仕事をしやすく、成果を出していく仕組みにしていく事を目指すべきだと強く思います。

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