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ISOマネジメントシステムでのトレーサビリティとは

2018年5月31日ISO

ISOマネジメントシステムを有効活用したいという経営者、管理者の皆さんへ、トレーサビリティの観点でお伝えします。

トレーサビリティの重要性

トレーサビリティとは、「遡る」、「追跡する」 等の意味があります。

例えば、製品の材料が「いつ」、「どこから仕入れたのか」「誰が検証したのか」を常に追跡できるようになっていることが該当します。

また、その製品を作る際に。「いつ」、「どこで」、「誰が」「どの機械や装置を使って」「何の作業をしていたのか」、ということについても追跡できることが含まれます。

これは、何かクレームや不良品が発生した際に、原因を特定するために大変重要なことです。

ここでもし、顧客に対して、原因と対策の特定を求められた際に、作業工程ごとの履歴や記録がないと相手に納得できるような報告はできません。

いつ、どこで、誰が作業していたのかも特定できない、またはその材料がいつ、どこから購入したのかもわからない 等のことが発覚すれば顧客からの信頼を失ってしまうことは間違いないでしょう。

ISOマネジメントシステムでもっと効果的にトレーサビリティの取り組みができる

上記は、何かネガティブな事象が発生した際のリスク対応の観点でした。「誰が実施したのか」ということもあり、ともすれば責任追及だけに走ってしまいがちになります。

でも、人の責任だけを追及して、注意喚起や叱責するだけでは一時は良くなるかもしれませんが、また元の木阿弥になってしまうでしょう。

作業履歴や工程上でとられている記録があれば、そこから材料の材質や発生した作業工程の状況を調査することは可能になります。工程管理全体の視点から原因を特定できます。

発生した製品やサービスについては、マニュアルの内容が適切か、機械・装置の管理は問題なかったのか、発生した日時や工程から、いつもと何か変わっている事はなかったのか 等、様々な観点で調査できます。

人はミスします。それは覆せない事実です。

収集したデータから、ミスが発生しやすい製品や作業工程の特定、そして作業者の特性 等を分析・評価をすることから、あらゆる対策を取ることが出来、不良品やクレームの低減につなげることは十分可能ですね。

具体的な取り組みとして、現状の仕事の内容と進め方をフローにして俯瞰していけば、マニュアルの改定、教育訓練方法の見直し、機械・装置の管理方法の変更、作業者の力量評価の見直し 等の目に見える改善に向けた有効な対策を打てます。

上記の対策は様々なテーマを取り上げることで、コミュニケーションを促進させます。

それらのデータから、予め不具合を予測して対策をたてることも可能になり、不良品やクレームの発生の機会を抑制し、余計な作業を減らせます。

何か起きた際に、常にどこで、何が起きたのかを把握することは、お客様だけでなく、皆さんの組織を守ることになっていきます。関係者が集まって、いろいろな視点を取り上げて、原因の深堀りをして実効性のある対策を立ててください。

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