全てのISOマネジメントシステムで要求されているマネジメントレビュー。
その運用いかんで、パフォーマンスに多大な影響を与えます。
マネジメントレビューは、日常の業務の中でも、都度行われています。
ただ、目先の事だけでなく、中長期的な視点で重要なことについてもきちんとレビューを行いたい、そしてもっと効果的に運用していきたいという経営者の皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
目次
マネジメントレビューの狙い
企業の活動を経営者は、インプットされた様々な情報を何らかのやり方でレビュー(確認、評価、判断)をしているはずです。
ISOのマネジメントシステムでは、その際の評価・判断をした結果や指示を記録の残すことが求められています。
これは、トップが話したことを言いっ放しにしないためにつきますね。
そして、その事をそれ以降のレビューで、どうなっているのかを確認することも求めています。
これを読んでどう思いますか?
経営者は、実践しているでしょう!
ただ、目先でやらなければいけないことをレビューしているのが多いのではと推測しますが。
殆どの組織では、マネジメントレビューをトップが出席する会議体を当てはめています。
それ自体は妥当で一般的ですが、文書のやり取りや、メール、グループウェアの活用等、様々な手段もあり、組織に最も適したやり方で実施して下さい。
組織にとって効果的なマネジメントレビュー 3つのポイント
組織に必要なテーマを予め決めてレビューを実施すること
ISOのマネジメントシステムの規格要求事項では、目標の達成状況及び顧客満足やクレームの対応、内部監査結果 等をレビュー(確認、評価、判断)し、適切な指示を下さなければなりません。
組織が目指す事や求める成果を得るために、組織でレビューすることは何か、そしてどのデータをインプットするのか等を検討して下さい。
次のところにも書いていますが、中長期のスパンでも重要なことは取り上げ、将来に向けた布石を検討して戦略を決める運用を是非行って下さい。
重要なことと優先度をはっきりさせること
緊急時や短期的に結論が必要なことなのか、それとも中長期的な観点で判断すべき事なのかを分類して下さい。
誰もが、重要で短期的に実施しなければならないことは、優先的に取り組みます。
ただ一つ考えなければいけないことは、重要であるが中長期の観点で実施すべき事は、優先順位が低くなりがちです。
実はここが中小企業で疎かになっているところです。
文書にせずに漠然と思っていることやいつも口頭だけで進まないことは、是非このマネジマネジメントレビューを活用して、着実に進む仕組みをつくる必要がありますね。
決まった事、指示した事を、5W1Hを踏まえて具体的に記録し、期限を決めて必ずフォローできる運用にすること
マネジメントレビューの結果の記録(会議体の議事録が多いです)を拝見すると、特に建設業の企業では「労災を発生させるな」「熱中症に気を付けること」「冬場の道路の凍結に注意すること」等の記述をよく見かけます。
確かに、それらも重要だとは思いますが、「それだけではないでしょう」とどうしても感じてしまいます。
やはりレビュー終了後にトップは、書かれていることを確認し、抜けや漏れを含めて内容が具体的でなく不備があるのであれば指摘をして、誰もがわかる内容に見直しをさせないと効果は出ないです。
トップが、マネジメントレビューの結果の記録から、「いつまでに」、「誰に」、「この件を確認する」ことが、日頃から出来るかどうかにかかっています。
その方がシンプルでやりやすいと思いませんか?