業務改善がうまく進まない、一人一人が各々のやり方が変えられず組織化が出来ないという中小企業経営者の皆さんへお伝えします。
例外作業は認めない
先日、とある会計事務所で、経営陣とお話しをさせていただく機会がありました。
その事務所は徹底的に標準化をして、だれが業務を行っても組織が求めるレベル以上の品質が提供できるようになっています。
その中で、「例外事項を作らないこと」を何度もお話しをしていました。
その結果は、会計事務所で会計サービスを提供している組織の約7割近くが黒字決算となっていることです。この事は、約7割の組織が赤字決算となっているわが国の事情をみても驚異的なことです。
まず、「例外事項を作らない」ために何を確認しなければならないのか、次の3つをあげたいと思います。
1. 業務の正しいやり方は決まっているか
2. 正しいやり方は、組織全員が理解しているか
3. この人でないと出来ない仕事はないか
現在のご自分の組織を観て下さい。
1) 人によって仕事のやり方はそれぞれであり、新しい人が入ってもどれがその組織にとっての標準なのかはっきりしないため、仕方なく最初の教えてもらった人のやり方で覚えてしまう。
2) ある人がやすんでしまい、ちょうど休んだ時期にその人しかわからない作業があり、自分の仕事ができなくなった。
3) 顧客から問い合わせに、担当者がいないことで対応ができずにクレームになったこと。
4) 新入社員に対して、複雑な作業を指導する際に、口頭でしか教えられず、なかなか理解してもらえなかった。
どうでしょうか?御社を見渡してそのようなことがどれだけあるでしょうか?
例外作業を作らない対策の進め方
STEP 1 組織内の作業を洗い出して調査する。
一人一人の作業を洗い出して下さい。
複数の人が出来る作業か、その人でないと出来ない作業なのかを整理して下さい。
また、過去のクレームの発生事例や社内の混乱した事を洗い出して下さい。
STEP 2: 全ての作業での標準を決めて下さい。
調査結果に基づき、作業の重要度の基準を決めて、重要度の高い作業から標準を作って下さい。
標準は、最初は業務フローの形からでも構いません。
ここでは、正しい仕事の進め方について、関係者の間で認識を共有してもらうのが目的です。標準の完成度はその次以降の段階で取り組めばいいです。
この標準は、あくまで例外作業や自社にとって不適切な作業を見つけるための情報として活用することです。
STEP 3:標準を作成したら、例外事例がどれだけあるのか、STEP1の結果と照合してリストを作って下さい。
顧客名/作業名、 問題点、 対応、 期日、 担当者
上記の項目があれば、リストとして十分です。
以前、IT機器の通販会社を支援した際に、どのような作業を行っているのかを上記のような表を使って確認しました。
商品の発送作業で、納品書以外に商品と同封していた書類があったのですが、その書類はそれまでの慣習で送付していたようで、顧客にとって必要な書類でなかったことがわかりました。
即刻その書類の送付を止めて、ムダな作業の廃止と経費の削減になった事例がありました。
今迄当たり前にやってきた作業でも、「何でこんな事をやっているのか」、「こんなことをやっていればいずれミスが起きてしまうのではないか」、小さい事でも結構です。
疑問に思っていた事や、面倒だなと感じた作業 等を話し合って下さい。
そのようなことを、社内で話し合う場を作ることは有意義なことです。
まず、やってみましょう!
次回は、次はどのように進めるのか、お伝えしたいと思います。