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ISO14001の環境目標は、組織の求める成果と一致させて取り組むべきだ。

2018年7月09日ISO

ISO14001を運用して、環境目標の設定をどうしたらいいのかお悩みの中小企業の経営者、管理者の皆さんと一緒に考えていきましょう。

環境目標の設定は、組織の特色を活かしていこう

ISO14001の6.2.1の「環境目標」には、目標の設定にいくつかの考慮すべき事項が次のように述べられています。
① 組織の著しい環境側面
② 順守義務事項
③ リスクと機会

もちろんすべてを考慮に入れる必要はありませんが、何か一つは考慮にいれなければなりません。

ここでは、「組織の著しい環境側面」をとりあげましょう。

6.1.2の環境側面では、組織の活動、製品、サービスについての環境側面を特定することが求められています。
通常ですと、原材料、エネルギ―、排出された廃棄物等が抽出されますが、製品そのものを取り上げてみて下さい。

製品に関する環境影響は何かにもよりますが、いろいろと目標設定の幅が広がるはずです。
原材料、エネルギ―、排出された廃棄物等の環境側面からですと、~の削減や低減等になりがちです。
組織が求める成果と整合しない目標が設定される可能性が高くなります。実際にいままでそのような企業をたくさん見てきました。

製品を取り上げる事で、製品の拡販や普及につながる目標設定が可能になります。それは、組織が求める成果と一致していくはずです。
業界。業種によっては、法規制の順守との関連が欠かせないところもあるでしょう。
まずは、企業ごとの業界の状況もあると思うので、そのようなことを踏まえつつそれぞれの特色を活かした目標の設定をして下さい。

環境マネジメントシステムは、企業の将来の姿をはっきりさせる必要がある

環境マネジメントシステムに取り組むと決めた際に、何のためにまたは何を目指して取り組んでいるのかということまで考えた中小企業はどれほどあるでしょうか?
顧客との取り引きに有利になることや社会に対するイメージアップ等から決めたところが殆どではないでしょうか?

今迄、いろいろと支援して感じるのは、有機溶剤の管理や排水の管理、大気汚染に関する管理等で法規制の順守が必要な環境に悪影響を及ぼす大手の企業はともかく、あまり環境に負荷をかけていない中小企業では、環境目標の設定に苦慮しているということでした。

「企業の将来目指す姿、ビジョンを明確にする」そんなことはわかっているといわれそうですが、中小企業では殆ど作られていないのも現実です。
何を目指しているのかはっきりしないで、環境目標を設定するには、目先ですぐ取り組めることになりがちになります。
例えば、「地域の清掃○件実施する」「環境に関するクレームをゼロにする」等です。
これらの目標は一つの手段や指標としてはアリだと思います。ただ、それらは本当に企業が求めていることなのでしょうか?
これこそ、審査向けに設定したと思われても仕方ありません。

やはり、企業として目指している事を明確にし、それらが社会にどのような影響を与え、貢献していくものかを、社員が腹落ちしていることが必要だと思います。
経営者の責任は大きいです。

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