役員から、管理職、現場のラインまで役職のついた方がたくさんいらっしゃる企業は現在でも
めずらしくありません。
組織をスムーズに運営するために役職者を就けて業務を進めていくこと自体を問題視するつもりは
ありませんが、よくよく聞いてみると組織を作れと言われ急ごしらえに部長職や課長職等を設けて
今に至っていることや、長年の慣習で１人１人の領域が暗黙で定められ現在に至っていたりなど、
企業ごとの事情があるようです。
もちろん、長年続けてきて、この体制や仕組みが業務が円滑に進められることで
現在の成果につながっていることも有ると思います。また、逆にいたずらに組織図を
書き換えてばかりすることで活力が停滞し、何のための体制変更だったのかという
こともよく聞く話しです。
規模や業種を問わず現場の作業では、どの企業も多能工化ということで
従業員に可能な限り様々な仕事を覚えてもらって生産性を上げていくことに取り組んできました。
この点については、異論はないのですが、問題はマネジメントをする層（管理職以上になると思いますが）
について、社内全体もしくは自分が任されている部署の運営方法、意思決定、意思疎通等の
組織をマネジメントすることに必要な取り組みを広い視点で理解されている人が
どれだけいるかということです。現場の作業と違い様々なケースへの対応や想定外への対処が
求められることがあり、一概に現場の作業と違い多能工化のようにはならないからです。
例えば、ある課長が自分の部署の業績のみを追いかけて営業実績をあげ目標も達成していると
します。ただ、会社には当然間接部門があり、売上を上げること以外にその金額を回収する
ことをチェックする業務もあります。また、クレームの対応、品質管理、協力業者の管理、
購買業務 等、業務が多岐に渡っています。仮にマネジメント層が自分の担当業務しか
知らない（もしくはわれ関せず）ということが現存していたとしたら、
トップが不在の際にどうなってしまうのかと考えてしまいます。
実際、ＩＳＯの審査では、管理責任者という方がいて、審査の対応をしていただいていることが
多いのですが、その方は組織を運営する際の手法を知っていますので、
こちらの質問や書類の提供についてスムーズに行くケースが殆どです。
ただ、その方が不在であったり、辞められた後の審査は、
スムーズにいかないケースが殆どです。
結局マネジメントの仕組みがその管理責任者しか知らず、
審査の対応を優先とした取り組みにしかなっていなかったということです。
本来の目的である、組織の目標を達成するマネジメントシステムに
なっていなかったということになります。
様々な要因があると思いますが、それは次回お話しします。
上記のケースでは企業の規模に関わらず、マネジメントに関わる取り組みについて
社長も知らないこともあり、先ほど示した
クレームの対応、品質管理、協力業者の管理、購買業務 等について、
組織として客観的的証拠に基づく説明ができない状況によく遭遇します。
ここで言いたいのは審査対応の不備という狭義のことを話したいのではなく、
会社全体でマネジメントに必要な取り組みが組織内で周知や理解がされてなく、担当がいなくなると
その場しのぎの対応に終始せざるを得なくなることです。例えば何かトラブルが起きると
誰が対応するかがベテランの〇〇課長だと何となく決まっていることはよくありますが、
顧客への対処は何とかしていると思いますが、その件を検証して
再発防止の取り組みにつなげているのかなど、
組織として本来必要なことが機能しているかという観点ではかなり疑問です。
トップが殆ど全ての業務に目を配ることや、は目先のことを対処することで
業績を維持していることもあり、組織のマネジメントのシステムの運用に
なかなか関心が向かないことも有ると思います。
そうなるともうトップしか全体を見て対応するしかありません。
規模が小さいのであればそれでいいかもしれませんが、
トップに何か起きた場合はもうお手上げですね。
現在の組織、体制はどうなっていますか？
是非、検証してみて下さい。
ＩＳＯ９００１、１４００１の改正は上記に件も含めて
変えるチャンスになります。
会社の成果に結びつけ、事業価値を創造する組織、仕組み作り、運用の
お手伝いをします。
ご連絡お待ちしております。
株式会社 インフィニット
ステップアップアドバイザー 櫻田 一展（さくらだ いちのぶ）
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