株式会社インフィニット 宮城県仙台市のISO・組織開発の会社|ISO45001を運用するための必要な3つの取り組みとは

022-702-4679 お問い合わせ

ISO45001を運用するための必要な3つの取り組みとは

2024年1月12日ISO

前回のコラムで、ISO45001の規格要求事項の序文をもとに認証を取得するポイントとして、ISO45001の目的として従業員にとって心身ともに安全で健康な職場をつくること、成功のための要因としてトップマネジメントのリーダーシップの必要性、そして組織の理念やビジョンに共鳴し、熱意をもって、生き生きと仕事をするエンゲージメントのある社員の必要性をお伝えしました。

今回は、それらのことを踏まえて実際に運用を行うにあたり必要不可欠なこととして『従業員の理解と共感の醸成』『ゴールを示す』『組織の安全衛生文化を築く』について説明をします。

従業員の理解と共感は不可欠

まず始めに、心身ともに安全で健康な職場をつくることは、受け身では実現できないことを伝えることです。トップが従業員が一緒に作り上げていくことをしっかりと示していかないといけません。

それは、心身ともに安全で健康な職場への実現の道筋を示すことです。ISO45001では、職場の安全衛生に関するリスクアセスメントを実施しますが、それを従業員主導でやってもらい、リスクの高い項目から優先度を決めて進めていくというボトムアップの手法を導入することです。

上記のことを最初にトップから力強く話していただくようにしています。従業員は、トップが本気なのかを見ています。このようなことを最初に行うことで従業員に本気度を示して協力をお願いするのです。「ただ、認証を取ります」では、その取り組みは文書や記録の作成が主目的となり職場が疲弊することになりかねません。ぜひ、トップの想いを伝えてください。

ゴール(パフォーマンス評価の指標)は何かを明確に示す

「心身ともに安全で健康な職場を作る」ということは一体何なのか。これは、「従業員が働き続けたいと思える職場なのか」が問われていると思います。働き続けることが可能になるには何が必要なのかを多面的に見る必要があります。

ISO45001のリスクアセスメントや関連法規制の順守評価でそれらの事を把握することができます。特に関連法規制の順守状況から組織の対応の状況が評価できます。それは働く人々が安全で安心して働くことができるように様々な法規制が定められているからです。その対応についての評価で順守すべき法規制に100%対応できているかというゴールが設定できます。

働き続けたいと思う要因の一つとして、一人一人が将来に渡るキャリアアップに関心が高いことはおわかりいただけると思います。組織は、そのキャリアアップの道筋を示し、その進捗状況から今の立ち位置を可視化していくことも必要になります。

そして仕事を進める上で、相談しやすいのか、話しやすいのか、自分の能力を活かしていけるのか 等、その人の感情の面についてもケアが必要になることがあります。その観点からゴール(指標)の設定は有効になります。例えば、部下との面談の回数、部門内の懇親の回数、上司からのフィードバックに関すること 等、様々なパフォーマンス評価は可能になり、その結果から今後の取り組みを検討することができます。

ただ、離職者数や労災の発生件数 等の結果のみしか確認できない指標の設定はお勧めしません。まずは、自分たちの活動を通して取り組めるゴール(パフォーマンス評価)の設定をしてください。

組織の安全衛生を推進する文化を確立する

組織の文化とは、その組織の価値観や原理原則を指しています。安全で健康な職場を作ると宣言しても特定の人だけに負荷がかかっていたり、サービス残業を容認することであっては、従来のままだとなります。

ISO45001の5.1リーダーシップ及びコミットメントのj)では「労働安全衛生マネジメントシステムの意図した成果を支援する文化を組織内で形成し、主導し、かつ推進する。」とあり、10.3の継続的改善のb)でも「労働安全衛生マネジメントシステムを支援する文化を推進する。」と要求されています。

ISO45001では、経営層と従業員とで安全で健康な職場を作るために参画と協議の場を設けることを求めています。そしてリスクアセスメントの実施も規定されており、その結果をもとに参画と協議を促進していく運用となっています。

そのような取り組みから、組織として何が問題で、変えないといけないのは何なのかを労使双方で話し合いをして「安全で健康な職場を作るため」の取り組みを決めることが必要です。これらの活動の定着が組織の安全衛生を推進する文化になっていきます。一朝一夕で作れるものではないのです。

安全衛生を推進する文化を育てていくことを疎かにすると組織の衰退につながり、本来の目的である持続可能な組織の実現は到底おぼつかなくなります。どうか、短期的でなく長期的視点で地道に粘り強く続けていく覚悟をもっていただきたいと思います。

シェアする

組織開発

  • 組織を改善したいが何から手をつけていいかわからない
  • 人手不足で残業がなかなか減らない
  • すぐに人が辞めてしまう
詳しく見る

お問い合わせ

お問い合わせは無料です。お気軽にお問い合わせください。

(C)株式会社インフィニット All Rights Reserved