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ISOマネジメントシステムの内部監査を実施するために必要な4つの取り組み

2025年7月19日お知らせ

 ここでは内部監査の進め方について伝えていきます。弊社は、内部監査の運用には4つのフェーズがあると考えます。「教育」「準備・計画」「実施」「振り返り」です。それぞれのフェーズごとに何をするのかを順を追ってお話します。

内部監査員の「教育」について

 認証取得に際して、内部監査を行うために内部監査員養成の研修を受講した上で、内部監査員として監査を実施していきます。この研修の修了証が内部監査員としての力量の担保となります。ただ、一度の内部監査の研修でもう一人前かというと非常に疑問ではあります。

 そこでISO19011:「マネジメントシステム監査のための指針」の7監査員の力量及び評価で、監査員の力量の評価、力量を向上するための取り組み等が示されています。これは要求事項ではなく指針となっていますのいでどこまで実施するかは組織の判断となります。

 研修の内容は、ISOマネジメントシステムの要求事項の解説、内部監査の準備から報告までの取り組みを座学や演習を通して体験して、修了証が発行されます。ISOマネジメントシステムに関連した教育機関、審査機関 等で行われています。

 ただ、各ISOマネジメントシステムの要求事項の7.2項の力量の要求には、内部監査員の力量も含まれますので、上記のような研修の受講は必須と言えます。

「準備・計画」について

 この準備のフェーズには、ISO9001:2015の9.2.2で要求されている事を実施していくための手順の文書化が含まれます。その手順に従い、「その回の内部監査の目的と監査範囲の決定」、「スケジュール調整」、「監査チームの編成(リーダーの決定も含む)と監査チームへの説明」、「被監査部門(者)との調整」を行い監査を実践するための準備のフェーズは、内部監査を運用する管理者もしくは事務局が担当するのが一般的です。

 この準備・計画は、要求事項でいう内部監査プログラムに該当します。ここが機能しないと、内部監査が成り立たなくなります。

「実施」について

 ここからは、監査チームが担当します。被監査部門の業務内容の調査、前回の監査結果の確認を通して、監査計画と当日使用するチェックリストを作り、当日に備えます。必要であれば、被監査部門に直接確認して監査計画やチェックリストを修正することもあります。

 そして監査当日には、監査計画に従い、チェックリストを使って被監査部門に監査を行います。組織の内部規定がISOマネジメントシステムの規格要求事項に従って整備しているか、内部規定文書に沿って活動していることを該当する文書と記録で確認したり、現場で活動を観察し、情報収集をします。その際に、ルール通りに実施していれば適合、そうでなければ不適合となり、不適合の場合はその内容を書面で報告することになります。

 監査が終わった後は、監査チーム内で話し合いをして、不適合があったかどうか、観察事項等の指摘事項があったのかを決めます。また、被監査部門(業務)の課題や問題点があればその事を報告書にまとめます。仮に不適合や観察事項があれば指摘事項のついての報告書を作り、最終のミーティングで報告し、被監査部門に是正処置(再発防止の処置)の期限を決めます。そして監査全体を通しての監査報告書を作成して報告します。この報告書は当日提出できなければ後日提出しても構いません。

 不適合の指摘事項があれば、被監査部門で、再発防止の処置’(是正処置)を行い、その内容をまとめて、管理者(事務局)もしくは内部監査員に提出し、その処置が再発防止に有効かどうかの評価をします。もし有効でないと判断されれば、認められるまで再提出することになります。(滅多にないと思いますが)

 これらの結果は、マネジメントレビューでのインプット事項となり、トップマネジメントに報告します。その結果、なにかしらのアウトプット(指示・決定事項)があれば、次回以降のマネジメントレビューでフォローアップすることになります。

「振り返り」について

 内部監査が一通り完了した後は、 内部監査の「準備・計画」と「実施」のフェーズについて振り返りを実施します。内部監査プロセスとして捉え、PDCAサイクルを廻していきます。

 何を基に振り返るのかという事ですが、監査の目的が達せられたかどうかの観点がまず必要です。規格要求事項と組織のマネジメントシステムが適合しているか、組織の内部規定にしたって活動しているかというのは監査の運用そのものであり、目的ではありません。

 内部監査の目的は、改善の機会を作る事なので、その事についての振り返りは当然実施しますが、「監査員の力量評価」、「監査の進め方と実施内容」、「監査報告書の内容」 等の複数の観点での振り返りをしていくのが本来の在り方です。この振り返りの結果から、監査員の教育の内容の決定や監査の進め方の変更 等の取り組みを進めていきます。

<今回のポイント>
1.内部監査員の教育は継続的に行う事
2.内部監査は、「教育」から「準備・計画」、「実施」、「振り返り」の各フェーズの取り組みを通して、PDCAサイクルを廻して継続的に改善すること


 次回は、インフィニットが顧客と実際に行っている内部監査を通して、組織に資する内部監査とは何かをお話ししたいと思います。

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