仙台で、ISOのマネジメントシステム(品質、環境、労働安全衛生、情報セキュリティ 等)の認証取得と運用のステップアップ支援をしています 櫻田 一展(さくらだ いちのぶ)と申します。
ISOのマネジメントシステムの認証取得や運用についてトップマネジメントが何をしなければいけないのか確認したい中小企業の経営者の皆さんにお伝えします。
目次
トップマネジメントとは
「ISO9000:2015 品質マネジメントシステム-基本及び用語」の3.1.1 トップマネジマネジメントで、「組織の最高位で、組織を指揮して管理する個人又はグループ」と定義されています。
ISOのマネジメントシステムにおいては、トップマネジメントは一人でなく複数でもいいとなっています。
仮に複数にするのであれば、マニュアルにその事を規定しないといけません。
トップマネジメントが行う事
ここでは、複数あるマネジメントシステムの共通の要求事項について示します。それぞれのマネジメントシステムの特有の要求についてはここでは割愛します。
方針を制定すること
品質に限らず、環境、情報セキュリティ、労働安全衛生、食品安全 等の各マネジメントシステムでは、それぞれ方針の設定が要求されています。
品質の場合ですと、経営者の会社に対する想いやこういう組織にしたいと常日頃思っていることを文書化することをお勧めします。
環境、情報セキュリティ、労働安全衛生、食品安全等のマネジメントシステムになりますと、規格要求事項の文面に沿って、事業内容を踏まえて作成しているのが一般的です。
既に取得している企業のホームページには方針が掲示されています。それらを参考にするのもいいと思います。
ISOのマネジメントシステムを導入の目的を社員に説明すること
それぞれのマネジメントシステムの導入し際し、何故それを導入して、どのような成果を期待しているのかを社員に会議体を使って説明しているのが一般的です。
実は、ここが非常に重要です。社員に自分の想いが伝わるかどうかで決まります。トップがやるんだという気持ちに共感してもらえれば鬼に金棒です。
逆にその思いがしっかりと伝わらないと社員はやらされ感で取り組まされるということになってしまいます。
また、全員の参画を持って運用する事及び管理職がその割り当てた範囲内でリーダーシップが発揮できるよう支援していく事も求められています。
組織の役割、責任や権限について明確にして社内に伝達すること
組織としての枠組みを作って、社員それぞれに役割や責任を明示して活動することを求めています。
一般的には、組織図、職務分掌表を作成している企業が殆どです。それを社内LANや紙面等の手段で全社員に周知しています。
役員、部長、課長、係長という日本では一般的な役職名を割り振って、職務分掌を作成している企業が多いです。
マネージャー、リーダー等の役職もよく見かけます。
方針に整合した目標を設定して達成へ管理できる仕組みを作る
設定した方針に沿って、組織の成果につながる目標を設定して、達成するための計画を管理職に作成させて、達成状況を報告する仕組みをつくって運用することです。
これは、マネジメントシステムの肝となるところです。
これが機能させてこそのマネジメントシステムです。
マネジメントレビューを実施すること
マネジメントレビューレビューとは、トップマネジメントが活動したことを確認し、評価して、その後の取り組みを判断することです。
一般的には、経営者が出席する会議体に当てはめているところが多いです。
少数ですが、文書のやり取りで実施している企業もあります。
マネジメントレビューでは、目標の達成度、それぞれのパフォーマンスの指標の達成度 等のインプット事項が複数定められています。
それらを経営者が確認して、評価して必要に応じて何をすべきかを社員に指示することと、指示したことを言いっ放しにならないよう、フォローアップして、指示したことがどうなっているのかを確認しなければいけません。
要するに、日頃から社員に説明を求めたり、問いかけたりしていることがここに当てはまると考えて下さい。
経営上当たり前のことを要求されており、日常行っていることだと思います。
いずれにしましても、マネジメントレビューの結果を記録することが求められています。
他にも、マネジメントシステム運用のために資源(人、インフラ、予算 等)を提供していくこともありますが、上記で書いた事も含めていずれも経営に必要なことを要求しているだけです。
お読みになって、至極当然のことばかりだと感じたと思います。
どうぞ、ISOマネジメントシステムを使って会社を進化させる組織を創って、成果を上げ続けて下さい。