ISOの認証取得をしたいとなった際に、まず考えるのは外部のコンサルタントを活用するかしないのかということではないかと思います。
認証取得に際して、コンサルを使う場合は、審査の費用にプラスしてコンサルへの費用が発生します。それなりの負担になるので慎重に考えざるを得なくなります。
そこでコンサルを選ぶ際のポイントを挙げてみます。当然、自分たちで認証取得まで実施することもできます。この記事を読んで参考にして頂ければと思います。
コンサルタントを使うメリットと注意点
<メリットについて>
1.「ISOでコンサルを使う最大のメリットは時間の短縮」
コンサルを使う最大の理由は、「時間の短縮」ではないでしょうか?
私も数年前までは半年かかるかかからないかで審査を受けて認証を取得できないものかと聞かれることが多かったです。
これは、取引先からの要求や市場の動きから早期に認証を取得しないといけないという場合もあったと思います。
事業内容、会社の規模にもよりますが、中小企業で認証範囲がシンプルであればISO9001や14001を取得することはケースバイケースでかなりタイトになりますが、半年で取ることは可能です。
但し、社内で取得への体制が整っており、コンサルの指示通りにスケジュールに沿って取り組むことが前提となります。
2.規格要求事項に対してすぐやるべき事を示す
もう一つは、規格要求事項が難解でどうしていいのかわからないということがあります。そういう場合には、すぐにやるべき事を示してもらえます。
文書を作成する際にも、どのように作成すればいいのか支援もしてくれますし、支援の中で文書の作成を請け負うこともあると思います。その分の手間が省けます。
一番時間がかかるのが、文書の作成です。
3.審査の経験があるのかというのも重要なポイントです。
審査とはどういうものか、審査機関とのやりとりや審査まで準備すべきものは何なのか等を明確に伝えられているかです。
実際に審査とはこういうことを確認する、ここがポイントであるとわかりやすく話してもらえると安心すると思います。
いいことばかり書いていると思われますが、そうでもない事もあります。次に選ぶ際のポイントを示しながら注意点を説明します。
<注意点>
1.コンサルが、あなたの業界をどれくらい理解しているか確認する必要があります。
なぜなら。会社の規模や業界によってマニュアルの様式、内容が違うからです。
今はあまり聞かなくなりましたが、以前大手企業で使用していたマニュアルを中小企業にそのまま当てはめたり、製造業で使用したマニュアルや様式を建設業に持っていったりといった事例は結構ありました。このような事になると、認証後は苦労する可能性が高いです。
なので、事前にどんな業界・業種を経験されているか確認したほうがいいです。
2.コンサル前の説明が明快であるか
取得を希望している企業・組織を理解できているかどうかの次は、コンサルティングを頼む前の説明がわかりやすく明快なのかという事です。次に示してみます。
・コンサルティングの方針・目的がその認証を希望する組織にとって、共感できるものか
・認証制度やISO審査の仕組みを説明できるか
・審査を受けるまでの道筋やスケジュールをしっかりと示しているか
・認証審査までにやるべき事や作成すべき文書を明確に説明しているか
・審査の事と認証審査を受けた後にはどのような事をしていくべきなのか説明しているか
3.認証取得までのリスクを説明しているか
認証に至るまで紆余曲折は当然ありますし、何が起こるか想定できません。
今迄の経験をもとに、認証に至るまでのリスクをしっかりと事前に説明できるコンサルタントは信用できると思います。それを踏まえてやるべき事とスケジュールを示しているのであれば説得力はあります。
自分のコンサルティングの思いや考えを述べずに、単純に金額が安いことや短期間で取得出来る事など耳障りがいいことばかり話しているコンサルは要注意だと思います。
事前にリスクを話さないコンサルは選択しないほうがいいです。
4.契約書には、コンサルの責任を明示して締結する。
いずれにしてもコンサルを活用するとなると、ある程度お任せせざるを得ないと思います。
最低でも認証取得まで責任を持ってやっていただけるのか確認し、契約書で明記すべきです。
例えば、これまで中心としてやってきた人が突然辞めてしまって取り組みがストップしたりした事や業務多忙につき当初の取得を予定していた時期が遅れること等も実際にありました。
そのような事も想定して契約書には、契約の内容の変更が発生した際の協議事項を設けて、しかるべき理由なしに一方的な費用の追加が出来ないようにしておくこともお勧めします。
コンサルに掛かる費用は抑えたいというのが人情だと思いますが、認証取得後も審査は継続するわけです。
これまでお伝えしたことを参考にしていただき、掛けた費用以上に組織にとって役に立つことを考え、実践するコンサルタントを選定することをお勧めします。
組織の現状を踏まえ、認証取得後を見据えて判断すべきだと思います。