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SDGsは、組織の持続的成長に有効活用ができる

2021年2月25日SDGs

SDGsとは

 持続可能な開発目標(SDGs)は、国連が2015年に採択した2030年までの地球規模の優先課題とあるべき姿を明示し、17の目標(ゴール)と169のターゲットから構成おり、どのようにして取り組むのかは、それぞれに任されています。

 そしてもう一つは「誰ひとり取り残さない」世界をつくる、これが最も重要なキーワードです。

 そのため、SDGsは、政府や自治体だけでなく企業も含めてあらゆる団体・人が取り組めるようになっています。

 特に上場している企業においては、投資家がESG(環境、社会、ガバナンス)の活動を重視していることから、通常の財務情報以外の報告書も作成しています。その中でSDGsの17のゴールを踏まえ、自社でできるカテゴリーを選択して実践している事を載せています。

 自社のビジネスと社会問題の解決の両立を目指した取り組みが既に始まっています。

 複写機のメーカーが空き店舗を利用した子育て支援事業をプロデュースしたり、ビールメーカーがホップの生産をする農業法人に出資と人的支援を行う等、徐々に実績を重ねることで、その企業の社会的な価値を上げることで投資を呼び込み社会全体からの信頼を高め、持続的な成長につなげようとしています。

中小企業にも活用ができる

 上場していない中小企業はどうなのかというと、現時点ではそれほど広がりはありません。ただ、政府はSDGsを地方創成の起爆剤にしようと、29のSDGs未来都市を選定し、既に10のモデル事業を進めています。

 このような動きも出てきている事から、中小企業でも自分達が持っている技術や能力を活かして自治体やほかの団体と連携するなどしてビジネスの拡大につながる取り組みが可能です。

 「ビジネスと持続可能な委員会」がSDGsの達成によってもたらされる市場機会を調査した結果がありますが、それによると1320兆円の市場創出と2030年までに世界で8000万人の雇用も創出するとはじき出しました。

 これから17のゴールについてそれらの課題を解決できる技術の開発が期待されます。中小企業にある技術を組み合わせてイノベーションをに起こせればいいのですが、それなりにハードルが高いことが多いと思います。

社員の啓発から始めてみる

 まず、現実的に社員にSDGsとは何かという事を伝えて理解してもらう必要があります。次の事から始めて下さい。

 ①17のゴールとそれに伴う169のターゲットについて自社に該当するところは何かを確認し、選択します。

 ②次に、その該当するSDGsの要求が、会社の未来にどのような影響を及ぼしていくのかを自社の事業内容とリソースをもとに、何に取り組めるのかを社内で話し合う場を設けていきます。

 次の事をテーマとして話しあってみてください。自分事として取り組める事を共有するのが目的です。

  ・今実際に行っている事に該当する活動がないのか、もしくは現状の活動を進化させることで該当しそうなことはないのか

  ・自社の製品・サービスはどのような社会の課題に対して対応もしくは解決できるものなのか

 ③話し合いの結果から、取り組める事を洗い出して、優先順位を決めて取り組む

 ④頻度を決めて、決めた事の進捗状況を確認する

 ある製造業の企業では、経営者がSDGsの啓発を続け、17のゴールから自分達で何が取り組めるのか全社で話し合いを行い、テーマを選択して取り組んでいる事例について、少し前にNHKテレビのニュースで放映されていました。

 その会社では社会の課題解決という観点で、自分達で出来ることを話し合いながら進めていくことで、意識や行動が変わってきたことを複数の社員が話していました。


 社員教育の一環としてだけではなく、全社で一体感を持って取り組む有効な手段であることを実証したその経営者の先見の明を垣間見ました。 

 まだ中小企業では、SDGsの取り組みはこれからです。学校教育では、既にSDGsの事をおしえています。特に大学生は、環境問題や社会への貢献に関心が高い事が各調査からも明らかになっています。

 特に大学生は、就職先を考えるに当たって企業のSDGsへの取り組みは重要な関心をもっていると思います。

どういう事について取り組めるか:目標3 すべての人に健康と福祉を

 企業の事業内容や経営に対する考え方はそれぞれで、何に取り組めるのかというのは当然違いがでます。

 一方で、これはどの企業でも取り組めそうな主なものを紹介します。

  目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確実にし、福祉を推進する

  3.d  全ての国々、特に開発途上国で、国内および世界で発生する健康リスクや早期警告やリスク低減・管理のための能力を強化する。

 上記については、社員の健康リスクについてどのように取り組むのかということになります。当然、健康診断を通して、再検診者を把握し、健康増進への取り組むはこの事に該当するでしょう。

 この事は、社員1人1人の診断結果の結果だけでなく、食事の内容、睡眠、喫煙、飲酒 等の生活習慣におけ現状を把握し、それらの健康リスクまで把握し、社員の健康増進を進める「健康経営」の取り組みと一致します。

目標4 質の高い教育をみんなに

  目標4:全ての人々に誰もが受けられる公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を提供する

  4.4 2030年までに、就職や働きがいのある人間らしい仕事、起業に必要な、技術的・職業的スキルなどの技能をもつ若者と成人の数を大幅に増やす

  4.7 2030年までに、すべての学習者が、とりわけ持続可能な開発のための教育と、持続可能なライフスタイル、人権、ジェンダー平等、平和と非暴力文化の推進、グローバル・シチズンシップ(=地球市民の精神)、文化多様性の尊重、持続可能な開発文化が貢献することの価値認識、などの教育を通して、持続可能な開発を促進するために必要な知識とスキルを確実に習得できるようにする

 目標4に関しては、これ以外にもターゲットがありますが、日本の企業においてまず取り組めることを取り上げてみました。

 4.4については、現状の教育のシステムや仕組みがどうなっているかを社内で点検する必要があります。社員のキャリアアップの道筋と必要な能力が明確にして取り組めるようになっているのかという事です。

 新たに入社した人にこのような事がしっかりと説明でき、どのようにして能力をもたせるための教育をおこなっているのか、システムとして運用できるようになっていることが必要です。

 4.7は、それぞれの組織での専門的知識の習得だけでなく、組織の持続可能な開発という観点で、教育訓練プログラムを作って、この視点での知識とスキルを習得できるようにすることです。これは自社の教育訓練のプロセスを見直していく事になります。

 具体的には、ジェンダー平等や多様性の尊重が、その組織のものの見方や考え方にどのような影響をおよぼしているのかを話し合う事です。あらゆる違いを認めて新たな価値を創出することが、組織の文化を変え、イノベーションを起こす可能性があること。

 その上で同質性の高い組織との違いは何なのかを話し合う事で、未来の会社がどうなっていたいのか、そして会社の方向性についても話を深めたことで、一人ひとりが結果を出すために自分事として実践していくのが容易になります。

 このような事からもSDGsの取り組みは、組織文化を変え、自社のシステムや仕組みの再構築、各人の行動変容につながる組織開発ともいえるのではないでしょうか。

SDGsは組織創りでもある

 これは、社員に対して、組織の事業と組織自体が社会の課題の解決への必要な取り組みを学ぶことができる仕組みを作りを通して、成長を促し、それに伴い組織も成長する循環を作っていくことです。

 今までにない視点での取り組みになりますが、若い世代の共感を集め、そのような意識のある人材に入社して活躍してもらうことは、持続可能な組織創りのために必要な取り組みだと思います。

 このようにSDGsはその実践したことをアピ―ルすることで、顧客だけでなく、これから入社する若い世代、地域の人たち等の利害関係者からの信頼の向上と本業の拡大にも有効活用ができます。

 次回は、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」からのそれぞれのゴールとターゲットからあらゆる業種・業態でも取り組める事をお伝えしたいと思います。

 

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